ID.11804
■投稿者:SCATMAN MO (210.131)
■投稿日:01月17日 (木) 08時11分12秒



(ブレイザーズ比較・3)第1巻の2

 こんにちは、30才会社員です。
 アメリカ版ヤマト「スターブレイザーズ」比較紹介の第3回、今日は
DVD第1巻の第3話〜第5話をお送りします。

 最初にテーマソングのお話を。
 ヤマトの主題歌と言えばささき氏の「さらば〜地球よ〜」ですが、
ブレイザーズでも同じ曲を使い、男性コーラスが英語の歌詞を歌って
います。

「宇宙の彼方へ向け いま地球を旅立つ
 人類を救うために 我らがスターブレイザーズ
 遥かな星を探し イスカンダルへ
 愛する者を背後に残し 我らの前にはどんな危険があるのか?
 強く勇敢になれ 我らの家を救わねばならぬ
 もし1年で成し遂げなければ 母なる地球は消える
 ガミロンとの戦いに勝利するまで止まらない
 我らが帰りたどり着いた時 地球は生き残るのだ
 我らがスターブレイザーズと共に」

 下手な訳ですが、こんな歌詞です。
 なお、エンディングテーマも歌詞が一部変わるだけで、この曲です。
「真っ赤なスカーフ」は無いんですね、残念…。

 ちなみにオープニング・エンディングとも、原作の映像ではなく、
作品中から抜粋したオリジナル映像です。オープニングではクレジット
は出ず、エンディングでは製作者や権利者の名前は出ますが、声優の
クレジットはありません。

 それでは各話の紹介に移ります。

 エピソード3:Argo,take off! The Challenge of 296,000
Light-years!
  (原題:「ヤマト発進!! 29万6千光年への挑戦!!」)

 冒頭、沖田艦長が全乗組員に訓示するシーンで、キャプテン・
アバター(沖田)はヤマトを「アーゴと呼ぶ」と宣言します。
これ以降、ヤマトという名前は一切出てきません。
(「アーゴ」の名称は、古代ギリシャの探索船「アルゴ船」から)

 乗組員の行進のシーンで、「逃げるんじゃないだろーな!」と叫ぶ
男のシーンがカットされています。
 原作で、発進までの間に沖田が古代と島を艦内案内する場面があり
ますが、ブレイザーズではそのうち、医務室の佐渡先生が冷凍睡眠する
シーンだけがカットされています。やっぱりアバウトな勤務姿勢では
医者として良くないってことなんでしょうね(笑)
 また前回で「戦艦大和の悲劇」がカットされた都合上、波動砲口での
その追想シーンもカットされています。

 概ねこの回にはストーリー上の大きな変更がありません。
 ラストで、発進後に古代が沖田を見つめた時、原作では徳川機関長の
「あの人は万に一つの可能性を発見したら〜」という人物評がかぶさる
のですが、ブレイザーズではアバター自身がデレック(古代)に対し、
「兄の死で私を責めてもいい。だが私は君がプライドを持った男に
なってくれると信じている」と呟く形になっています。

 エピソード4:World of Wonder! Argo leaps past light!
  (原題:「驚異の世界!! 光を飛び越えたヤマト」)

 冒頭、リーダー・デスロック(デスラー総統)が登場。デスロックは
原作の伊武さんに比べやや甲高い、神経質そうな声ですが、独裁者の
雰囲気は良く出ていると思います。

 作戦室でのワープの説明がありますが、原作と比べると説明は簡略化
され、「アインシュタインの閉じた宇宙論云々」という辺りはカット
されています。また、ワープに失敗した場合、「我々は次元の彼方へ
永遠に消えてしまうだろう」とのことで、「宇宙全体が吹っ飛ぶ」等の
表現はありません。
 IQ−9(アナライザー)が冷凍睡眠しているドクター・セイン
(佐渡)を起こしに行きます。前回冷凍睡眠のシーンがカットされて
いるので、ドクター・セインは単に寝ていることになっています。
 ここで起こされた佐渡先生の「ワープ?特別にうまいスープか?」
という迷言(笑)が原作にはありますが、ブレイザースでは
 「素晴らしい夢をなんで邪魔してくれたんだ!美しい貴婦人が夢の
中に出てきたっていうのに!」というセリフに置き換えられます。
 これくらいの逸脱は許されるみたいですね。ただ当然ながら、
その後佐渡先生が飲んだくれるシーンはカットです。
そしてアナライザーの「コリャダメダ、ゼンゼンツウジテナイ」という
セリフは「ユメハゲンジツデハアリマセンガ、ワープハゲンジツデス」
という常識的な受け答えに変化しています。

 ワープ前に敵空母が接近し、ブラックタイガー隊が発進します。
ここでこの回における最大の変更点、というか、設定のミスが発覚。
 山本機が被弾しますが、デレック(古代)は「コンロイ(加藤)!」
と叫びます。以降、この回での山本は加藤として扱われ続けます(汗)
 一応、ブレイザーズの設定資料で、山本は「ジェファーソン・
ハーディー」っていう名前がついているんですが…加藤とは顔も髪型も
違うのにねぇ。シリーズ1における最大の見せ場を奪われたのでは、
山本ファンにはたまったものではありません(笑)
 なお余談ですが、ブレイザーズと同じVoyager社が製作した英語版
「さらば」(日本ではリンガフォン社から発売)でも、山本が都市帝国
戦で被弾、敬礼をするシーンで「コンロイ!」と呼ばれています。
 ストーリーの多少の変化は許せるんですが、こういう設定のミスは
気分が萎えてしまいますね。ちょっと残念です。

 もう一つ原作と決定的に違うのは時間の設定。
 原作ではブラックタイガーが帰還した時点で「ワープ30分前」
なのですが、ブレイザーズでは「ワープ3分前」(!)。
以下、帰還の遅れるコンロイ機に対し、
 アバター(沖田)「あと2分しかない、収容急げ!」
 ノヴァ(雪)「ワープまであと80秒!」
 80秒で艦底の収容口までかけつけてコンロイを救助、そして第1
艦橋に戻ってきたデレックはまさに超人…(原作でもワープ3分前に
山本を救助した後、ワープ前には第1艦橋に戻ってきてましたが…)
 ちょっと時間設定に無理がありすぎですね。いや、確かに作品中の
時間の流れからいうとそのくらいの感覚なんですけどね(笑)

 そしてワープ。ワープ中の原始人、恐竜といった描写はそのままです
が、雪の下着&全裸シーンは教育上よろしくないので、問答無用で
カットされています。

 ワープ成功。喜ぶ乗組員の中で、原作では雪が「島さん!」と呼ぶ
シーンで、ブレイザーズではノヴァが「起きて、サンダー(真田)!」
と声をかけます。
 うーん、その後確かに真田さんが起きたようなシーンが出るんです
けど、真田さんなら真っ先に加藤と肩を叩き合って喜んでいたんです
けどねぇ…このあたりもセリフ設定のミスでしょう。
 ちょっとこの回については、全体的に設定の検証が甘いですね。

 エピソード5:Escape the Floating Continent!
Crisis calls the Wave Motion Gun!
  (原題:「浮遊大陸脱出!! 危機を呼ぶ波動砲!!」)

 エンジンに異常をきたし、木星の浮遊大陸に不時着するアーゴ。
 敵基地から戦闘機が出撃してきます。
 原作では古代のコスモゼロと敵戦闘機がドッグファイトをし、古代機
が被弾しながら辛くも敵機を撃墜、メタンの海へ落下していく敵機に
敬礼を送るシーンが描かれています。
 しかしブレイザーズでは、デレック機の被弾までは一緒ですが、
その後ドッグファイトの冒頭シーンが使いまわされ、敵機は逃げ帰った
ということに。パイロットの死は描かれません。
 エンジン修理が完了し脱出したアーゴは、浮遊大陸の敵基地に
ウェーブ・モーション・ガン(波動砲)を放ちます。
 ここで原作には無い描写が登場。
 原作では近づくヤマトに対し、浮遊大陸基地の美男司令が「ふっ、
いったい何をするつもりだい」とあざけるのですが、ブレイザーズで
司令は「彼らはここを攻撃する気だ。ここにいるわけにはいかない。
どうせ浮遊大陸から離れようと思っていたところだ…総員脱出準備!」
と指示を出します。そして冒頭の戦闘機出撃のシーンが使いまわし
されて、基地の全員はその飛行機で脱出、戦場から離脱します。
アーゴは無人の基地を攻撃、大陸ごと破壊するわけです。

 この回を見ると、アメリカ人がアニメにおける殺人描写にいかに
神経質であるかが伝わってきます。たとえ戦時の描写であっても、
極力、人が死んだという表現を覆い隠そうと苦心して編集している
わけです。偽善と言ってしまえばそれまでですが、アニメ=子供向け
という常識の中では、やむを得ない措置なのかもしれません。
 しかし原作を知る者には、見た後で何となく腑に落ちない気持ちが
残るのも事実ですね。

 以上、第1巻の第3〜5話をご紹介いたしました。
 
 長々と大変失礼いたしました。
 またよろしければ、次回お付き合い下さい。




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