ID.11761
■投稿者:SCATMAN MO (210.131)
■投稿日:01月13日 (日) 12時54分06秒



(ブレイザーズ比較・2)第1巻の1

 こんにちは、30才会社員です。
 それでは、この場をお借りして、アメリカ版ヤマトこと「スター
ブレイザーズ」の比較紹介をさせていただきます。
 1巻のDVDを2回に分け、1回に2〜3話ずつ紹介しますので、
少しばかり長い続き物になるかと思います。
 よろしくお付き合い頂ければ幸いです。
 
 タイトルの「スターブレイザーズ(STAR BLAZERS)」の意味ですが、
「星に道しるべを付ける者たち」という表現になると思います。
 なお、作品中でこの表現は出てきません。ヤマトという存在全体は
「スターフォース(宇宙軍)」と呼ばれています。
(ヤマトそのものは「アーゴ」。名称については、12月中頃に詳細な
比較の書き込みをしましたので、過去ログをご参照下さい。)

 それではシリーズ1「クエスト・フォー・イスカンダー」
パート1、第1巻の紹介を。

 第1巻には第1話から第5話までが収録されています。
パッケージ表紙は、ビデオの第1巻で松本氏が書き下ろした「夕陽に
眠るヤマトと、古代&島」の構図を元に、新たに書き起こした絵
ですが、古代と島はやっぱりアメコミ調です(笑)
 なおこの第1巻は、DVD−BOX発売と同時にリニューアルされ
たそうで、バラ売りの第1巻の表紙は何故か「永遠に」の絵が使われ
ています。(サーシャ(澪)まで描かれています…)

 ボーナス特典として、「アーゴ(ヤマト)艦内説明図」と「地球と
ガミロン(ガミラス)の戦いの歴史」が付属しています。
 「艦内説明図」は、艦内の各セクションを指定すると、その部分の
説明と画像が紹介されるという、DVDならではの特典です。
 「戦いの歴史」は、22世紀末の地球の状態、ガミロンとの戦いの
始まりといった世界観の説明がされており、初めて見る人でも時代
背景が理解できる仕組みになっています。
「ヤマト」における地球が、当時の現実世界の延長で設定されていた
のに対して、「ブレイザーズ」では、資源の枯渇から世界は大きく
争い、主要な7カ国に分かれたことになっています。
 Can-Am(北アメリカ)、Euroland(北ヨーロッパ)、Afrostates
(アフリカ)、Anglia(イギリス)、Ukraine(ロシア)、
 Asia Minor(アジア)、Great Island(日本)。
 ガミロンとの戦いの過程で人的交流が進み、様々な人種の人々が
共生しあうようになっています。だからアーゴ(ヤマト)に乗り込む
のが日本人じゃない訳です。(でも1人くらい純粋な日本人がいたって
いいんじゃないかと思う《笑》)
 Great Islandは当初遊星爆弾による表土の被害が少なく、宇宙軍の
中心となります。このあたりは、「ヤマト」と一緒ですね。
 
 前置きが長くなりましたが、それでは各話の紹介に移ります。
 
 エピソード1:SOS Earth! Revive Battleship Yamato!
  (原題:「SOS地球!! 甦れ宇宙戦艦ヤマト」)

 タイトルについては原作同様、放映当時には付いていなかった
らしく、ほとんど原作タイトルの直訳になっています。

 第1話ではまず構成が変わっており、原作ではいきなり冥王星会戦の
シーンから始まるのに対し、ブレイザースでは、原作第1話後半部の
冒頭にある、沖田の独白とナレーションによるガミラス侵攻の解説から
始まっています。キャプテン・アバタ−(沖田)による決意表明の後、
冥王星会戦に臨むわけです。これは、見る人をいきなり戸惑わせない
ための配慮と思われます。

 そして冥王星会戦が始まります。かの有名なセリフ、「バカメ!」
は、英語では「イディオット!(Idiot)」
 戦闘シーンが始まり、一方的に地球側が被害を受けていく訳ですが、
穴から宇宙空間に乗員が吸い出されたり、「助けてくれ」と叫ぶ乗員
の前で無常に隔壁が閉鎖するといった凄惨なシーンはすべてカット
されています。(人の死の直接的描写は、ブレイザース作品中では
徹底的に避けられています。)

 第1話で原作と決定的に違うのは、アレックス・ワイルドスター
(古代守)の死(正確には死んでないけど…)の描かれ方でしょう。

 原作では、「男なら、戦って、戦って、戦い抜いて、1つでも
多くの敵をやっつけて、死ぬべきじゃないんですか!」と死地に
赴く古代守に対して、アレックスは、被害を受け無防備な旗艦の
撤退援護のために、あえて後衛に残ります。

 アレックス「あなたは無防備です!また会いましょう!」
 アバタ− 「ワイルドスター!一緒に帰るんだ!」
 アレックス「これは簡単な数学の問題です、サー。
       貴方の旗艦には470人、私たちの艦には20人。
       あなたは帰ってください。私は見届けます!」
 アバタ− 「ワイルドスター、これは命令だ!」
 アレックス「お話ししている時間はありません、キャプテン。
       ガミロン艦隊がやってきます!
       ご心配なく、敵を打ち破って、あなたに地球で
       お会いします!」
 アバタ− 「…グッドラック、アレックス・ワイルドスター…!」

 原作では、「死ぬことと見つけたり」というような義のために
殉ずる古代守ですが、アレックスはあくまで戦略的見地のために
騎士道的自己犠牲で、捨て駒となる覚悟を決めて突撃する訳です。
 合理的思考のアメリカの人に、古代守の精神論を理解しろって
言っても難しいでしょうね。クレイジー、カミカゼと取られるのが
関の山のような気がします。
 ただ、無駄死にと言えなくもない原作に比べ、ブレイザーズの
描写の方が納得が行くと思えるのは私だけでしょうか?
 決断があんまりにも合理的過ぎる気もしますが(汗)

 火星でのシーンには大きな違いはありません。
デレック・ワイルドスター(古代進)とマーク・ベンチャー(島大介)
を収容して、旗艦は地球へ帰還します。

 地球に帰ってからの大きな違いは、佐渡先生ことドクター・セイン
の登場シーン。原作では治療を嫌がるブタと格闘する佐渡先生に対し、
ドクター・セインは腹を空かせたブタに餌を与えようと格闘します。
そして、原作での
 佐渡「…あかんかったんよ」
 アナライザー「キョウハコレデ5ツメノホトケサマ」
というシーンが、ブタに餌を与えて、
 セイン「さーて、ワシのランチの時間だ」
 IQ−9(アナライザー)
    「ソーリー、ドクター。カフェテリアノランチハ
     イマ、シナギレデス」
という会話に置き換えられています。
 これは間違いなく、「こんな医者では教育上よろしくない!」という
配慮からでしょう。あわれ佐渡先生の言動はこの後も修正されまくり
ます。しかしいかに修正されても、やっぱ見た目は酔っ払いです(笑)
   

エピソード2:The opening gun! Space Battleship Argo starts!
  (原題:「号砲1発!! 宇宙戦艦ヤマト始動!!」)

 この回、いきなり「ヤマト」と「ブレイザーズ」の決定的な違いが
判明します。それは、
 「ブレイザーズではスカートめくりは存在しない!」(笑)
 原作では第2話の始めに、アナライザーの雪への「初めくり」
があるのですが、「ブレイザース」ではIQ−9が手を出す直前で
画面が切り替わり、そのシーンはカットされます。
 この後も、「ヤマト」作品中にあったチラリズム、ちょいとお色気
じみたシーンは全てカットされています。

 アメリカではアニメは子供向け、という位置付けが非常に強いよう
で、「教育的配慮」が常に求められているようです。
 先の佐渡先生の品行もそうですし、ましてやセクシャルな表現や
話題など厳禁(汗)
 細かくレイティングされた映画の格付け(何歳以下厳禁など)を
見ても、アメリカはこういう点に非常にうるさいのだなと感じます。
 子供の目から暴力や性を覆い隠すのが一概に正しいとは言えないと
私は思います。現実にそれらは存在しているわけですし…
 もっとも日本のように暴力や性の情報が氾濫した社会も良いとは
言えないでしょう。いずれにせよ大事なのは、それを直視した時に、
親が子にどう教育するかと言うことだと思います。

 話がそれてしまいました(汗)

 さて、呼び出しを受けて秘密ドッグへ向かうデレック(古代)と
ベンチャー(島)。
 原作では、到着してから天井を見上げてヤマトの船尾を見つけ、
「何だあれは?」というやりとりがあり、エレベーターで上っていく
間もどこに着くのかはっきりしない描写ですが、
「ブレイザーズ」では最初から、IQ−9が「あれがヤマトの船尾」
と説明してしまいます。
 どうもアメリカの方は日本的な「けれん味」たっぷりの演出は
お嫌いなようで、最初から事実関係が明確な説明が多いです。
 ちなみに、後に「アーゴ」と呼ばれる戦艦は、発進しない段階の
この回までは、きちんと「ヤマート」(笑)と呼ばれています。

 艦内に入り、デレックとベンチャーがキャプテン・アバタ−と
対面します。ここで、ヤマトに乗り込む集団が「スターフォース」
と呼ばれることが判明します。

 ガミロン空母の襲撃。
 「蛆虫どもめ!」と悪態をつく原作の沖田艦長に対し、キャプテン・
アバタ−は「オーノー!攻撃への備えはできていない!」と、
ちょっと頼りないです(笑)

 補助エンジンが始動、反撃開始。デレックとベンチャーに
指示を飛ばすアバタ−。
 デレック&ベンチャー「アイアイ・サー!」
 軍隊ものには付き物のセリフですね。
 ヤマトの主砲で空母は撃破。この時も、空母司令が死ぬシーンは
直前でカットされます。

 原作ではこの後、第2次世界大戦における「戦艦としての大和の
悲劇」のシーンが入るのですが、「ブレイザース」ではこの部分が
そっくりカットされています。これがこの回における最大の変更点
でしょう。
 ヤマトの背景を理解する上で最も重要と言えるシーンをカットした
理由はおそらく、アメリカの子供向けとして、かつての敵対国の戦艦
という重い事実を明らかにすべきではない、という配慮があったので
しょう。
 あるアメリカのHPでは、「大和対アメリカ機の構図が、後の
アーゴ対ガミロン機の構図とそっくりだから、アメリカを敵視している
として排除したのでは」という穿った評論もされていました。
 ただこの削除については、双方の事情を知るアメリカのファンからも
「作品として削除するべきではなかったのでは」という声があった
そうで、DVDの第2巻に、ボーナス特典として収録されています。
    
 そして最後に入る、地球滅亡まで「あと364日」。

「 THERE ARE ONLY 364 DAYS LEFT 」


 以上、第1巻の第1〜2話をご紹介いたしました。

 なお、吹き替えの声について。
 キャストのクレジットが出ないので声優さんについては判りません
が、概ね原作の雰囲気を損なわない、それっぽい声の人が当てている
と私は思います。
 ただし、唯一の例外はノヴァ(雪)。
 かなり声のトーンの低い、大人びた声で、慣れるのに少し時間が
かかりました(汗)

 
 長々と大変失礼いたしました。
 またよろしければ次回お付き合い下さい。




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